流産児供養

2017年08月01日

教化部長 坂次 尋宇

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■九州北部の豪雨
 7月5日に九州北部を襲った豪雨は、スギやヒノキ等の流木を発生させ甚大な被害を及ぼして30名に及ぶ死者を出しましたが、未だ約20名の人と連絡が取れていない状況です。(7月14日時点)亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、行方不明者の一刻も早い発見と被災された方々の復興を祈る次第です。
 近年は毎年の様にこうした集中豪雨が発生し、各地で大きな被害が出ていますが、この原因は地球温暖化による異常気象と考えられることは、総裁先生が常にご指導頂いています。地球温暖化を防止するために私たちは「倫理的な生活者」として神・自然・人間が大調和した生き方を実践するとともに、多くの人々にお伝えする必要があります。

■全国流産児無縁霊供養塔
  今年も8月17日から19日の三日間、生長の家宇治別格本山にて宝蔵神社盂蘭盆供養大祭が執り行われますが、19日には総裁・谷口雅宣先生、白鳩会総裁・谷口純子先生がご臨席されて全国流産児無縁霊供養塔供養大祭が執り行われます。
 昭和36年8月20日、宇治別格本山の一隅に檜造りの「全国流産児無縁霊供養塔」が建立されました。その後昭和40年10月14日に檜造りの供養塔に代わって御影石の供養塔が建立され、谷口雅春先生によって「入魂の儀」が行われました。その時谷口雅春先生は、二通りの祝詞をあげられましたが、その一つ「全国流産児無縁霊に告ぐる詞」を次に掲載します。

  此処宝蔵神社の浄域に 仮の全国流産児無縁霊供養塔を建て奉りて 早くも年を経ぬれば 風に吹かれ 雨に洗はれ 陽に晒されて色褪せ損じたれば 新しく清き御影石もて宝塔を作り成し 今日の吉日に汝たちの霊をこの宝塔に鎮めんとして入魂の儀を行はんと 茲に生長の家総裁谷口雅春汝たちに白さく
これの宝塔の上には子育て観世音坐しまし汝ら流産児を迎へ 慈しみ育て給ふ 而して縁ありて再び地上に生まれ肉体の生を享けて地上の修行によりて霊の向上を得んとする者には適当の母体に宿し給ひて地上の生を得せしめ給ふ 地上の生を受けてより後も観世音菩薩は護り給ふ 夢疑うこと勿れ 肉体の父よりも母よりも棄て去られ 天涯孤独となりしと思う流産児達よ 泣き悲しむ事を止めよ 苦しみもだゆる事を休めよ 迷ひを去れ 迷ひ迷ひて汝等の流す涙は洪水とも現はれ 泣き叫ぶ声は暴風ともなりて戸を打ち家をくだく されどこれ真の姿にあらず 父を求むる者よ 母を求むる者よ 汝の真の父母は天地の大神なり 汝らは神の子なり 汝らの父母は天地の大神なり 汝らは神の子なり 彼らの父母は天地の大神なり 今観世音菩薩として現れて汝らをいつくしみ育て給ふ 目を上げて慈母の光を見よ 観世音菩薩の御声を聴け 汝童子童女たちは霊界に於て すでに高き程度の進化に到達し受胎と胎児形成の過程を経験し 尚高度の進化を求めたる霊に外ならず 汝たちには肉体なく苦しみ無く 悲み無く只々向上あるのみなり この真理を知らしめ悟りに導かんが為の縁として供養塔を建立しここに鎮め奉りて慈母観世音菩薩の御守護の下に魂の向上する学園となし 朝な夕なに聖経『甘露の法雨』を読誦せんとす 希くは聖経の真理を受け速かに真理を識り人工流産せしめられたる怒り 恨みを放ち去り 悲しみの涙をおさめて誠の道に進み給ひ 観世音菩薩の導きのまにまに愈々高き御位に進み給へと敬って白す

■悲しみの涙と泣き叫ぶ声
  この祝詞の中の棒線の処にあるように、自然災害の原因は人間による自然破壊の結果とともに、霊的に見ると流産児の悲しみの涙が具体化して大雨となり、泣き叫ぶ声が暴風となって現れていると示されています。私たちは盂蘭盆供養大祭に鑑みて改めて流産児の供養を真心を込めて致しましょう。