真心を込める
2017年03月01日
教化部長 坂次 尋宇
■マニュアル通り
皆さんもお店などで経験したことがあるのではないでしょうか。接客態度や言葉遣いは申し分無いにもかかわらず、心がこもっていない時があったりすること。逆にぶっきらぼうで丁寧でなかったりしても心がこもっていたりする時。
大衆演劇「梅沢劇団」第三代座長の梅沢富美男氏が話していました。団員の皆に差し入れをしようとお店でハンバーガーとコカコーラをそれぞれ40個注文しました。そして会計をする時に店員が、
「お持ち帰りになられますか、それともこちらで召し上がられますか?」と聞いたそうです。すると梅沢富美男氏は頭にカチンときて、「40個もここで食べられるか!」と怒鳴ったそうです。
確かに店員は会計時の接客に関するマニュアルに示された通りに丁寧な言葉で対応したかもしれません。しかしそれは通常の個数であれば何の問題も無いことですが、40個という個数では自ずと対応が変わってくるはずです。
形はいくら丁寧であってもそこに相手に対する思いやりの心が無ければ相手に真心が伝わりません。
■たばこと……
「たばこを持ってきてくれないか」と言われて、Aさんはたばこだけを持ってきました。次にBさんは、たばこと灰皿を。そしてCさんは、それにライターかマッチを付けて。
私もコンビニで買い物をしレジで会計をする時、袋に印刷されているバーコードへ読み取り機を当てやすいようにしてカウンターへ出します。するとそれに気づいた店員は、
「あっ、ありがとうございます。」と言ってにっこりしてくれるのです。小さな事ですが相手の気持ちになることで人との関係が和やかになります。
■真心を出して行届くべし
『新編 聖光録』76頁に「『生長の家』信徒行持要目」が書かれてあり、その三と四には、
三、何事にも真心を出すべし。 憂患は外界より来たるに非ず。真心顕れざるを憂患と言う。内に真心なきに非ず。それを顕さざるに過ぎず。真心とは全心なり、全力なり、一所懸命なり。『今』を生かすなり。真心あらわすとき、直ちに此処が天国 浄土と化するなり。
四、一切の人に物に事に行届くべし。
真心顕るれば自然一切の人に、物に、事に行届くなり、人には必ず深切なるべし、和顔なるべし、声やさしく愛語すべし、如何なる小事にも行届くことを心掛けよ、若し行き届かざることがあらば弁解すべからず。真心を顕すことを怠りたる自分の罪なりとして懺悔すべし。