建国記念の日

2018年02月01日

教化部長 坂次 尋宇

■天照大御神
  平成30年(2018年)2月11日の建国記念の日は、皇紀2678年の建国を数えることになります。建国記念の日にあたり天照大御神について、総裁・谷口雅宣先生が『小閑雑感パート20』142頁に書かれていましたのでご紹介します。

「日本の天皇家の“皇祖神”として考えられているだけでなく、神話の中では明確に「太陽神」として位置づけられているため、21世紀の人類最大の課題である地球温暖化・気候変動の問題にも深く関わっているからである。つまり、この神は、古代の神であるだけでなく、現代において新たな意味を付与されて息を吹き返しつつある重要な神さまだと感じるのである。(中略)つまり、太陽からくる数多の恵みを認識し、それに感謝し、その思いを宗教的に表現することは、時代や民族を超えて人類に共通するものなのだ。」

■与える生き方
 昔の日本人は、太陽を天照大御神の現れとして報いを求めずただ与えるという姿を拝みその恩恵に感謝するとともに、人間の生き方のあるべき姿としてきました。しかし産業革命以来、人間は太陽の恵みに感謝するどころか、人間の欲望のまま自然から奪う生き方をするようになってしまったのです。その結果が人類の最大の課題である地球温暖化なのです。
 この問題を解決する方法は、人間の欲望のままに自然から奪うのではなく、太陽のようにただ与えると言う生き方を人類の多くが実践する事によって解決出来ると思います。「天照大御神の恩徳を讃嘆する祈り」に、これからの人類があるべき姿が示されています。

 「天照大御神は太陽の象徴であるとともに、「与える愛」の象徴である。
 イザナギの命から生まれた三貴神―天照大御神、月読命、須佐之男命―は、それぞれ太陽、月、地球(海)の象徴である。天地創造の神、イサナギの命の左(日足り)の目を洗われたときに誕生したのが天照大御神であり、右(水極)の目を洗われたときに誕生したのが月読命であり、そして最後に鼻を洗われたときに建速須佐之男命が誕生した。このことから、地球(海)は日の神(陽)と月の神(陰)との大きな影響下にあることが分かるのである。天照大御神は太陽神であるとともに、実相世界を人格的に象徴している。月読命は、月の神であるとともに霊界の人格的象徴である。そして、須佐之男命は地球の神であるとともに物質界を人格的に象徴している。(中略)われは今、天照大御神の表現である太陽を心にアリアリと観ずる。太陽は、「与える愛」「生かす愛」「仏の慈悲」の象徴である。(中略)太陽は、地球から何の報いを得なくとも、無限に与え続けるのである。この偉大な力によって、地上に多様な生命と生態系が出現し、おびただしい数の生命が支えられていることを思うとき、人類も「与える愛」を駆使することで、地上の平和と秩序と、多様なる生命の共存共栄を実現できることを知る。(後略)」

  私たち一人ひとりが、自然に対して小さな与える愛を実践することにより、はじめは小さくても次第に大きな流れとなって地球温暖化を食い止めることができる流れとなることを祈っています。