ニワトリを拝む

2018年05月01日

教化部長 坂次 尋宇

■もの言わぬもの
12338[1]  『神性開発』という本の中で妹尾壽夫教化部長が「“もの言わぬもの”に学ぶ」と題して飛田給の練成道場の事を書かれていました。それは飛田給道場新築に当たり古くなった飛田給道場の木造建物を河口湖練成道場に移築した時の話で、その移築工事を請け負った光明建設の社長さんが、谷口雅春先生に「古くなった飛田給道場は解体処分にして、新資材によって新築にした方が費用も安く、時間も早くできますよ」と再三申し上げたそうです。すると企業者の集まりである栄える会の大会の御講話の中で、「この道場の一本一本の柱に、天井の板に、そのほか一切のものに救われた喜びがしみこんでいるのであります。古くなったからと云って捨て去るというわけにはいかないのであります。」と谷口雅春先生はおっしゃられたそうです。

■飼育係
  さらに妹尾壽夫教化部長は次のように書かれていました。
「私は飛田給道場で、初めにニワトリの飼育係を命じられました。ニワトリは飼育係が交替しますと、産卵率が必ず落ち込むのです。それでも愛情をもってエサをつくり、鶏舎を掃除したりして一所懸命、世話をしていると徐々に卵を多く産むようになります。
 ニワトリを飼うのが、将来何のためになるのかなあと、そんな疑問が頭をよぎるとき、徳久先生の御講話がそれに答えるかの如く耳にひびいて来ました。
『ものを言わない動物の面倒が立派にできてこそ、人間の指導もよくできるようになる。豚を飼わせると豚がやせる。金魚を飼わせると金魚が死ぬ、ニワトリを飼わせれば卵がガタ減り、こういう人間は人間を相手に仕事をさせても決してうまくいかない』と。」

■卵を産まぬニワトリ
 故岡田淳講師も飛田給練成道場出身で、道場での初めての仕事はやはりニワトリの飼育係となり、一所懸命神想観をし愛情を注いで世話をされたそうです。しかしある期間過ぎると産卵率が増えてこなければならないのだけれども、どう言う訳か卵は増えるどころか減る一方だったそうで、まだまだ愛情や祈りが足りないのかと反省したそうです。
 たまたま練成会に養鶏を営む人が参加されていたので、道場のニワトリを見てもらったところ、「岡田さん。こりゃーだめだ、みんなばばあだ!」とさ。