蛆の効用
2018年07月01日
教化部長 坂次 尋宇
■自然と人間の大調和
今、人類が経験しつつある異常気象や気候変動について、総裁・谷口雅宣先生は次の様に示されています。
「このような事態に到っている原因は、何だろうか?私は、その原因の一つは、人間が自然から略奪したり、自然を敵視して破壊することが人間の幸福につながるとする迷妄だと感じる。また、人類の集合的無意識の中に、自然に対する愛と憎悪のコンプレックス(感情・観念の複合体)が渦巻いているのではないだろうか。これらを解消し、あるいは昇華するためには、私たちが日常的に「神―自然―人間」の大調和を心に強く描くことが必要だと考える。実相においては、自然と人間は神の下に一体である。」『宗教はなぜ都会を離れるか?』76~77頁より
■マゴットセラピー
これは、蠅の幼虫である蛆の食性を利用して壊疽組織を除去する治療法です。この治療法は数千年前のアボリジニやミャンマーの伝統医学で傷の治療として行われていたことを示す記録が残っていたり、近代の戦争において傷口に蛆が湧いた方が治癒が早いということが経験的に知られていたようです。近年糖尿病による壊疽患者の増加によってこの治療法が見直され、アメリカでは2004年に医療用蛆が医療用機器として認可されています。
この治療法に使用される蛆は無菌状態で繁殖させたヒロズキンバエの蛆で、蛆は腐って死んだ組織のみを分泌液で溶かして食べ、健全な組織は食べないそうです。同時に蛆が分泌する抗菌物質は、新しい組織の再生を促すとともに、抗生物質の効かない菌を殺す働きもするというのです。
日本医科大学付属病院の宮本正章再生医療科部長は、「今までは足の壊疽が広がると膝から下を切断せざるを得なかった。しかしこの治療法によって60人中53人の患者が歩いて退院することが出来た。」と語っていました。
■生ある物は神の命を宿す
大聖師・谷口雅春先生の書かれた「天下無敵となる祈り」には、「(前略)すべての人々の生命がわが生命と一体であるだけではなく、すべての動物・植物の生命とも私は一体であるから、すべての動物・植物に対しても私は愛を感ずるのである。それゆえにいかなる動物からも害されることはないのである。すべての昆虫、その他、這う虫、飛ぶ虫のわざわいをも受けることなく、わが果樹園にも茶園にも田畑にも害虫の被害などはないのである。いかなる細菌も真菌もヴィールスも、すべて“生”あるものは、神のいのちを宿してこの世に出現せるものであるから“神の子”である私を害することは決してないのである。(後略)」と示されていて、天地一切のものと自分の命は一体であるとの自覚を持つことが大切であると示されています。
今後私たちは神・自然・人間の大調和を常に強く意識して生活し、その一歩一歩から宇宙浄化と世界平和が実現することを祈って日々生きて参りましょう。
- 前へ:水かき
- 次へ:霊牌を書いて先祖供養を