アイスクリームの奇跡

2020年08月01日

教化部長 坂次 尋宇

■夏の贈り物yjimage[2]
   6月21日の夜7時頃、玄関のブザーが鳴った。一人暮らしの私の所に夜訪ねてくる人はいないので、さては宅配便の人かと思ったら案の定であった。白い発砲スチロールの小さな箱の差出人は次男からで、実はこの日は父の日だったので感謝の贈り物をしてくれたのであるが、私は父の日であることをまったく知らなかった。
 その日は結構暑い日でしたので、宅配便のお兄さんに何か冷たい物をと思いついたのは、冷蔵庫に一本残っているチョコバーのアイスクリームであった。しかしだ、二本以上あればいいが一本しか無いので、これを上げてしまうと風呂上がりに食べる私のアイスクリームが無くなってしまうので上げることを躊躇した。
   自分の喜びのために渡さないか、相手に感謝の思いで渡すのかと瞬時に考えたとき、やはり感謝する方を選択するべきと考えて、覚悟して「ご苦労さん。これ食べて。」とアイスクリームのバーを渡した。アイスとの最後の別れであった。
 さて、次男から送られてきた白い発砲スチロールの小さな箱を開けてみると、びっくり仰天。なんとアイスクリームのカップが10個も入っていた。「与えよ、さらば与えられん」とはこのことだ。真理の体験ができて、ありかたや、ありがたや。
■無限循環の法則について
 『新版 生活と人間の再建』の195~196頁には次の様に書かれています。
 与えれば与えられるのは人生の法則である。蒔かぬ種子は生えぬのである。まず第一に種子を与えなければ収穫は得られないのである。この明瞭な道理を自覚しない人達が随分多いのである。与える量が多い程受ける量も尚多いのである。吾々は与えることによって、自分のもてるものがなくなってしまうと恐れる必要はないのである。供給の本源は無限なる神から来るのであって人間から来るのではないから、与えたからといって減ると思う必要はないのである。豊かに与えるに従って、神は豊かに与え給うのである。