厳しき修行
2023年02月04日
教化部長 坂次 尋宇
■忘れがたき思い出
私が初めて生長の家総本山を訪れたのは、確か昭和49年に開催された夏季大学生統一練成会で大学2年生の時だと思います。練成会前日の夜に夜行列車に乗って名古屋駅を出発し、当日朝に早岐駅着きました。日本の西の端にある総本山は何と遠いのだろうと感じました。この大学生練成会が総本山にける一番の記憶に残っています。総本山はまだ九州別格本山と呼ばれていまして、現在のような龍宮住吉本宮や顕祭殿、練成道場も全くなく、現在職員寮が建てられている場所に木造の道場があり、一部は購入した自動車学校の教室が宿泊所として使用されていました。
練成会の初日と最終日を除く日の午後は、真夏の日差しが照りつける中での龍宮住吉本宮のお社を建立する場所の土運びの献労でした。全国から大学生が相当数参加していたと思いますが、練成会第2日目の夕食前に事件が起こりました。献労を終えて帰ってきた私達は全身汗とほこりにまみれていて、早くお風呂に入って夕食を食べようと思っていました。そこへ衝撃的な連絡が運営委員から伝えられました。
「本日、男性は風呂無し!」というもので、皆唖然としました。
練成会に参加して風呂がないという事態は未だかつて経験した事がありません。冬場ならまだしも真夏のしかも献労後だというのに、私達はこの汚れた体をどうすれば良いのだろうかと。すると誰言うともなく洗面所で体を洗おうということになり、当時は野外に両側に並んだ蛇口のある洗面所があったので、男性のメンバーはタオルと石けんを持ってそこに行き、外から丸見えの場所で丸裸になって体を洗い始めました。すると第2弾の衝撃的な連絡が発せられました。
「水道の水を使うな!炊事場の水が出なくなる」です。
皆頭から足まで石けんの泡だらけの状態で、そこへ水を使うなとの残酷ともいえる指示であり、どれだけ男性参加者を苦しめるのか。私達男性の過去に何か報いを受けるような悪業があって、それを今受けているのだろうかとも思いました。しかし参加者の中には頭の回転の良い者がいて、近くに井戸の様な水たまりを見つけてくれたので全員難無きを得たのでした。
■自然と共に
総本山は敷地面積84万坪という大変広大な面積を持ちその殆どが森林なので、現在生長の家が進めている「神・自然・人間は本来一体である」という真理を実際に実践できる素晴らしい環境であると思います。しかし全国の教化部には、これだけの森林を持つところはありません。お陰様で香川県教化部は約6400坪の敷地があり、その約半分が森林です。以前香川県教化部は他県と同様に高松市の中央に位置する場所にありましたが、昭和47年に高松市内や屋島を一望できる標高79メ―トルの山の中腹に移設されました。当時交通の便の良い市街地から、この山腹に移設されたのは先見の明があったといえます。
さて、この立地条件を生かして総本山に少しでも近づこうと取り組んでいます。まず始めたのは椎茸栽培で、平成27年の3月に練成会の献労の時間を利用して椎茸の駒菌を参加者が原木に打ち込みました。その後令和2年まで毎年行っていて、収穫した沢山の新鮮な椎茸は練成会の食事に提供されています。次に相愛会が令和元年に炭焼き小屋を建て、年に2回ほど炭焼きを実施しています。しかし最初はなかなか上手く出来ず、殆ど灰になってしまったこともありますが、できあがった竹炭や竹酢は信徒の方にお分けしています。令和3年には「香川自然の恵みフェスタ」へ出展するために「花炭」を造りました。香川教区では、これからもこの環境を生かして自然と共に出来る事を捜して取り組んで行きます。