「ダメ」こそチャンス
2016年05月01日
教化部長 坂次 尋宇
■成功とは何か
読売新聞平成28年4月1日号のコラムには次の様な記事が載っていました。
◆11打数0安打5三振。野村克也さんのプロ野球人生1年目である。拝み倒して撤回してもらったものの、シーズンの終了後には解雇を通告されている。その人が戦後初の三冠王になり、名監督になった。◆山中伸弥さんが執刀すると、20分の手術が2時間かかった。足手まといの“ジャマナカ”という異名を先輩医師からもらい、臨床医になる夢をあきらめた。その人がノーベル賞で研究医の頂点を極める。
■弱点を克服する
元野球選手・監督の野村克也氏は、身長百175センチとプロ野球選手としては身長が低いのと、入団当初肩も弱くて遠投できなかったそうで、キャッチャーとしては致命的です。このままではレギュラーになれないと思って筋肉トレーニングに励み続け、肩を鍛えたそうです。またips細胞を発見した山中伸弥教授は、学生時代柔道やラグビーで10回以上骨折するなど怪我が多かったようです。そこで整形外科医の道を選んだのですが、他の医師に比べて技術面において不器用であったことから、指導医からは時に罵倒されといいます。
しかし、2人はそうした現象的な弱点を克服するために、信念を持って血の滲むような努力を積み重ね、遂に素晴らしい功績を残すことができたのです。
■天才ゆえの落とし穴
また、野村克也氏は週刊誌で清原和博氏について次の様に語っていました。
「プロ1年目から俺の記録はいつか清原に塗り替えられるなと思っていた。こんな選手いない。ただ物足りなかった。野球選手に大事なのは判断力だが、清原のプレーからは状況判断をしているとか、頭を使っているとかが全く伝わってこなかった。(中略)
野球は技術力には限界がある。その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界なんだよ。
技術の先には頭脳と感性が必要なんだよ。でも清原は若いときに教育されていなかったから考えないし感じない。人間の最大の悪は鈍感であると言うが、まさにそのとおりだよ。(中略)
彼はやはり天才だからこうなったと思うんだよ。苦しまない、考えない、センスだけでやってきた。野球哲学をきちっと考えるということをしてこなかったんじゃないか。せっかくのいい素材が、周りに恵まれなかったということなんじゃないかな。(後略)」
■神の子の宝を掘り出す
現象世界の自分が不完全であっても、本当の自分は神の子であって完全円満の無限の力を持っていることを信じ、その無限力を顕すために身口意の言葉の力を駆使するとともに、日々練習することが必要ですね。
『新版 幸福を招く365章』20頁には
一切の業から超出する道
「性格」と云うものは、反復して心に描いていたものが、その方向に動き易くなった「人間の心の型」を云うのである。吾々は一度や二度練習してもピアノを上手に弾くことはできないけれども、幾度も繰返しているうちに、努力なしに自然に指が動くようになって来る。更に反復していると、「月光の曲」と題を思うだけで、その曲譜の通り自然に指が動くようになる。それと同じく、性格を自分の思うように改めるのも、最初は自分の想念を自分で支配することが出来なくとも、幾回も繰返しているうちには何の苦もなく自分の想念を支配し得るようになって来る。先ず、神想観して、「吾は神の子である。いと優れたものである。吾は霊である。霊は自由自在であるから自分は何ものにも支配せられない。自分は一切の業から超出せるものである」と思念する練習を毎日繰返すが好いのである。