龍宮城に行けるか?
2020年10月01日
教化部長 坂次 尋宇
■ため池
香川県は瀬戸内気候のため大変温暖である一方、中国山脈と四国山脈に囲まれているため両山脈の外側で雨が降るので、瀬戸内海側では降水量が少なくなる。そのため特に農家で水田を持っている人にとっては水を確保する事が死活問題で、昔は水を確保する為に争いが起きたと文献にあった。この問題を解決するため香川県では各地でため池を造って干ばつに備えてきたので、ため池の数が現在県内には約14,000箇所存在し、この数は兵庫県、広島県に次ぐ全国三位の数である。また、ため池の密度では1k㎡当たりにため池が7.79箇所と全国一位となっている。
■カメの交通事故
ため池が多いことによって、私が今まで経験したことのない交通事故が香川県にはある。それはカメの事故である。因みに岡山県ではヌートリアだった。道路をバイクで走っていると、前を走る車が急に道路にある何かを避けて走る事があったが、その原因が道路に横たわる轢かれたカメであった。
カメの気持ちは分からないが、餌を探して別の池に行こうと道路を渡りかけたところで車に轢かれ、あの固い甲羅が割れて死んでいるのである。私は時間があればその死んだカメを拾って草むらに移動して手を合わせる。バイクは車と違って誤って走行中にカメを踏んだらバイクの方が飛んでいく事になるので、他のバイクの為にも死んだカメを移動しておくのだ。
■龍宮城へ
夏、バイクで走っていると、道路の脇で今まさに道路を渡ろうとしているカメを発見した。それは頭を持ち上げて道路の左右を見ているからである。これは危ないと思ってバイクを止めてそのカメを捕まえようと近づいた。するとカメは敵が来たかと判断して道路を渡ろうと走り出したので、こちらも負けじと左右の車に注意しながらそのカメを追いかけて捕まえることが出来た。そして道路を渡り反対側にあった池にカメを逃がしてやった。
さぞカメも喜んでくれた事だろうと思い、いつか龍宮城へ連れて行ってくれることを楽しみにしているが…。
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