世界平和の真実の鍵

2023年01月01日

教化部長　坂次　尋宇

　謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年も皆様方のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
　さて、昨年に続いてコロナ禍の波が全世界に広がり一向に終息する気配が無く、世界全体の経済や日々の生活までも悪影響が出てきています。また、世界経済の悪化に追い打ちをかけるように、昨年２月末に勃発したロシアのウクライナ侵攻による戦争は、１０カ月を過ぎても終息の目処が立たない状態です。信仰者としてこの二つの事件が終わり平和が実現するためには、私たちはどの様な心構えや祈りをすれば良いのでしょうか。
　谷口雅春先生著『新講「甘露の法雨」解釈』の６４頁～６５頁には実相と現象を区別し、「実相世界には殺し合いや喰い合いは存在しない」と次の様に示されています。

◆吾々は肉眼というレンズを通して五官という感覚器官を通してみると、現象世界の色々の争いや闘いや喰い合いや殺し合いの有様を見るのであります。しかし実相においては凡ての生物は互いに喰い合っていないのである。殺し合いをしている肉食動物などというものは、実相の世界の中には居ないのでありまして、実相においては互いに殺し合いなどしていないのであるけれども、その人の心の立場において或る角度から眺めて見ると、殺し合いをしているように見える。「見える」ということと「実際にある」ということとはちがう。それがわからないと、仏教で「此世は夢幻の如し」とか「色即是空・空即是色」とかいう深い真理がわからない。ちょうどコップの中へ押し入れた箸は水によって折られているように見えているのが悲惨憂苦みち満ちているように見える現象世界である。ところが水は決して箸を折っているのではない、只そのように見えていると言うだけの事である、水は決して箸と喰い合いも、折り合いも殺し合いも、しいてないのであります。（中略）
　だから、この世界の人類が皆本当に実相を知り、神と同じ心になって、屈折しない「念のレンズ」を通して、素通しの心にものの実相というものが見える心境になりましたならば、折れた箸は見えないで真直に見えるのと同じように凡ての生物は互いに喰い合わないで、（中略）其処に本当の世界平和の根源があるのであります。◆

　新年にあたり「世界平和の祈り（新バージョン）」を更に実修して、実相世界の大調和した世界を顕現させましょう。