不動明王

2022年03月01日

教化部長 坂次 尋宇

■怒りの仏様fudomyoo
   3月21日は春のお彼岸なのでお墓参りをし、ご先祖様にあらためて感謝の真心を捧げましょう。家庭が幸福で円満に治まるためには、そのご家庭の命の柱となるご先祖を供養し、命の柱を建てることがとても大切です。
 さて、真言宗の仏壇ではご本尊が大日如来様で、その右脇には弘法大師、左脇には不動明王が位置しています。坂次家は浄土真宗大谷派なので本尊は阿弥陀如来様で、左が「九字名号」右が「十字名号」が掛けられています。そのため怒りの顔をしておられる不動明王様にはご縁が無く、どのような気持ちで拝んだら良いか悩みます。
 名古屋市の成田山萬福寺にある不動明王の説明には、
【御本尊である不動明王は、「お不動さん」の愛称で多くの人々に親しまれている仏さまです。
   右手の利剣は煩悩を絶ち切り、左手の羂索(けんさく)は迷いや苦しみから救い出す縄です。背後の火炎は邪な考えを焼き尽くし、身体の青黒色は外から来る障害や災いを除くことを表します。
   見開いた右目と細く閉じた左目は、左道(まちがった教え)を観ず真実を観る目とされ、上下した牙は上に悟りを求め、下には人々を導く事を表します。
   人々の煩悩の重さを表した磐石に座りおさえつけ、束ねた髪が頭の上から左の肩に垂れ下がるのは不動明王の慈悲が私たち一人一人にはたらいていることを表しています。
   不動明王は「智慧」と「慈悲」を象徴した仏さまです。】とあります。この説明では不動明王様と人間が上下関係で人が裁かれるような感じがします。

■我が内にある不動明王
   そこで谷口雅春先生による不動明王様の説明を捜しましたら、『新版 真理』第七巻の84頁ありましたのでご紹介します。
「お不動さんと云うかたは、そう云う祠の中にいるかたじゃない。お不動さんはあんたの中にある。〝不動〟と云うものは〝不動の原理〟を人格化して現されておるものである。〝不動の原理〟とは虚空に充ち満ちている不生不滅の本体である。だから不動さんの顔が青黒いのは、それは、虚空の色すなわち蒼空の色をかたどって現されたものである。そうして、右の手に剣を持っているのは、それは実相をくらます迷いを斬り祓うところの象徴である。左の手に縄を持っておられるのは、これはわれわれの煩悩即ち、意馬心猿を縛るところの象徴である。背中に大火焰を背負うっているのは、これは闇を消すところの真理の光を象徴している。何もそう云う形をした仏像と云う物質が御利益があるのでなく、宇宙に満ち虚空に満ち拡がっている〝不動の原理〟それが仏教で云う、不増不減、不生不滅の〝空〟の原理だ。〝空〟の中に無限の力があり無限の智恵がある。それが不動明王であって、そのお不動さんがあんたの中にある。(後略)」