さぬきの郷土に学ぶ「本宮山 くじら岩」
2021年10月24日
東かがわ市の山中に巨大クジラ出現!といいたくなるような、インパクトのある巨石があります。そこは、虎丸山、那智山と並ぶ水主三山の一つ「本宮山」。麓には前回ご紹介した「倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)」を祭る「水主(みずし)神社」があります。付近には、縄文後期から弥生時代、古墳時代の遺跡が発見されていて、古くから農耕が行われていたことをしのばせ、その社名からも水神として崇められていたことが分かります。
本宮山の山頂にあるくじら岩は、高さ約7m、周囲約12mの巨岩で、マッコウクジラが口を開けて海面から頭を出している形をしています。くじら岩の周りを息を止めて3周まわると願いが叶うと言い伝えられています。
登山口は県道10号線から県道132号線(田面入野山線)に南下し、水主コミュニティセンターを目指します。
本宮山の登山道をたどれば1時間ほどで山頂に到着です。山道は人が歩いた形跡はありますが、整備されておらずかなり険しいです。
もし行かれる方は歩きやすい服装で水分は必ずお持ちください。
山頂に聳える「くじら岩」。江戸時代末期、嘉永6年(1853年)発行の「讃岐国名勝図絵」では、「タテ石(立石)」と書かれていました。立石とは境界の目印となるものという意味で、広大な水主神社の社領を示す目印ではなかったかといわれています。
また、くじら岩の隣には休憩所が建てられており、奥には小さい祠が祀られています。この本宮神社の御祭神は早玉男命(禊祓を司る神)と伝えられています。
標高346mの本宮山山頂からは東かがわ市と瀬戸内海を一望できる絶景スポットです。